Jim Allen's 1996 Guide to Japanese Baseballを読んで
「Jim Allen's 1996 Guide to Japanese Baseball」を読みました。
先日の記事でも紹介しましたが、Jimさんは日本プロ野球におけるセイバーメトリクスの先駆者の一人です。
本の表紙には当時ロッテ監督のボビー・バレンタイン氏が本を推薦しているコメントがあります。
まず、懐かしさが込み上げてきます。1995年のシーズンを分析したものなので、今サムライジャパン監督がダイエーホークスのレギュラーに定着した年です。
ライマー、ミッチェル選手など、最近の人は知らないのかな?福岡ドームにダイエーホークスの試合を見に行ったときに、ライマーが空振りしてバットがファウルスタンドまで飛んだことなんかを思い出してました(私はダイエーホークスファンでした。)
この本の面白いところは、日本プロ野球データが、チームごと、選手毎(野手、投手、守備)にしっかり集計されていて、かつセイバーメトリクスの切り口で集計されていることで、当時の各選手のR/27などもわかります。
単にデータだけでも、面白いのですが、Jimさんの解説や意見も面白い。
イチロー選手(当時22歳)が、ビル・ジェイムズの計算式によると、張本さんの記録を更新する確率は19.2%だと、この時点で予測しています。
バントの有効性について疑問を呈していること。
西武の森監督の、犠牲バントが重要という主張について、昨年のパリーグの優勝チーム(オリックス)がバント数がリーグトップということを証拠に上げていた点について、じゃあセリーグの優勝チーム(ヤクルト)はバントはリーグ5位だけどそれはどうなの?と。。
ちなみに、私の高校野球の監督は、「ノーアウト走者1塁 = 送りバント」でした。
プロ野球ですら、戦術の有効性を客観的に評価しないのに、少年野球、高校野球の指導者はもっとひどかったんだろうな。。
スポーツの世界は、指導者の一存で、試合に出る選手、試合中の戦術が決まります。
野球というスポーツは、客観的なデータを元に、選手の実力を評価し、有効な戦術を選べるスポーツです。
私の知り合いで、自分では実力があると思っているのに、理不尽な理由で試合に出してもらえず、野球から遠ざかった選手も何人かいます。
野球のデータを解析し、論理的に正しいことをできる指導者が増えると、もっと野球を通して、公正さ、データ分析力、論理的思考力なども合わせて学べるんじゃないかな、と思いました。